和園の正門は明・清時代の順徳の伝統的な祠堂を参考に建築されたものです。正門の高さは13メートルあり、主体はレンガ、木、石による五間(ごけん)六柱(ろくばしら)構造となっており、陶器、石灰、木、石の彫刻や色彩画も取り入れられています。博古梁架と屋根には、清朝康熙帝時代の順徳旧八景と順德水郷の風土を描いた金箔彫刻が施され、左右それぞれ異なる内容となっています。
一間目の表側には順徳旧八景「錦岩夜月」、中秋の月見、広州昔ながらの酒場風景が刻まれています。裏側には順徳旧八景「石湖望晩」と春節の年越しの風景が刻まれています。二間目の表側の彫刻は、順徳旧八景「鳌峰夕照」、重陽登高、広州の生菜会(ある大型民俗活動)の様子です。裏側の彫刻は、順徳旧八景「福海烟波」と恵みを祈る祭りの様子です。三間目の表側の彫刻は、順徳旧八景「鑑江競渡」、端午のドラゴンボートレース、ドラゴンボートの点睛儀式の様子です。裏側の彫刻は順徳旧八景「桂畔漁歌」、養殖池、冬至の団欒など水郷の風景で、板の部分には観音様御開帳の様子が彫刻されています。四間目の表側は、順徳旧八景「雲路松風」、佛山伝統の秋祭りの様子が彫刻されています。裏側の彫刻は、順徳旧八景「鹿径榕陰」、七夕を祝う様子です。最後の五間目の表側に見える彫刻は、順徳旧八景「鳳嶺朝暉」、元宵節の灯籠などを楽しむ水郷の風景です。裏側には、順德旧八景「太平春雨」、清明節の新緑の様子が彫られています。
順和門の細やかな金色の木彫りには、嶺南水郷の特徴を大きく兼ね備えた「ドラゴンボート型屋根」が施され、明清時代における南粤の祠堂の典型的な芸術的特徴が反映されています。